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歯の隙間を埋めるには? 方法を選ぶ前に、隙間が「なぜ空いているか」で向きが変わる

前歯の隙間が写真で目立つのが気になって、埋め方を調べてみる。すると方法がいくつも出てきて、どれが自分に合うのか分からないまま止まってしまう。できれば安く、できれば自分で埋めたい——輪ゴムや市販のもので埋まるという話も見かけて、やってみようかと迷う。

けれど、隙間の埋め方は、方法のカタログから選ぶより先に見たいものがあります。それは、その隙間が「なぜ空いているか」です。原因によって、埋め方の向きも、そもそも動かして無くせるのかも変わってきます。そして、自力で埋めるのは勧められません。順に見ていきます。

目次

「埋める」には、動かして無くす道と、形を足して覆う道がある

まず、「隙間を埋める」と一口に言っても、していることは大きく二つに分かれます。歯を動かして隙間そのものを無くすか、歯に形を足して隙間を覆うか、です。

前者は、隙間の両側の歯を寄せて、位置関係のほうに手をつけます。後者は、歯そのものの見た目の幅を足して、隙間があった部分を覆います。どちらも行き着く先は「隙間がない」ですが、途中でしていることは別のものです。位置を変えるのか、幅を足すのか、という違いがあります。

このうち、方法どうしの是非——たとえば削って覆うことをどう受け止めるか——は、セラミックは「絶対ダメ」?の側で扱っています。この記事で見ていくのは、そのどちらの道が向くかを、手前で決めている「原因」のほうです。方法を並べて選ぶより先に、どちらの道が合うのかを決めているものがあるからです。

どちらが向くかは、隙間が「なぜ空いているか」で分かれる

その、向きを決めているものが、隙間の原因です。隙間が空く理由は、ひとつではありません。歯のサイズと顎の大きさのバランス、歯の傾きや向き、もともとの歯の欠け、舌で前歯を押す癖——出どころが違えば、隙間の性質も違います。しかも、もとから空いていた隙間もあれば、年齢を重ねるうちに歯が少しずつ動いて、あとから開いてくる隙間もあります。いつ、どうして空いたのかで、その隙間の背景は変わってきます。

原因が違うと、「埋める」が意味することも変わります。歯の位置関係がずれて空いているなら、動かして寄せれば無理なく無くせることがあります。いっぽう、歯そのものが小さかったり欠けていたりして空いているなら、動かすだけでは埋まりきらず、幅を足す向きが合う場合もあります。舌の癖のように、埋めたあとも隙間を押し広げる力が続いているなら、そこを見ておかないと、向きを選ぶ前提が変わってきます。

だから、原因を見ないまま方法を先に決めると、隙間には合っていても、原因には合わない埋め方になりかねません。見た目の隙間はふさがっても、原因のほうに無理が残る。小さな隙間を部分的に動かして閉じられるかどうかも、原因と状態しだいで、その見極めは部分矯正ができない場合のほうで整理しています。向きを決めているのは、方法の種類ではなく、隙間の原因のほうです。

自力で埋めるのが勧められないのは、原因を変えないまま無理がかかるから

安く早く済ませたくて、輪ゴムや市販のレジンで自分で埋める、という話も見かけます。ただ、これは勧められません。理由は、原因=位置関係を変えないまま、歯に無理な力や負担をかけることになるからです。

輪ゴムのようなもので歯を縛れば、歯にはコントロールのきかない力がかかります。どこへどれだけ動くかを決められないまま力だけが加わるので、歯や歯ぐきを痛めるおそれがあります。市販のもので上から覆う場合も、原因は残ったまま、覆いの取れ残りや歯とのあいだの段差が、汚れや虫歯のもとになりやすい。見た目の隙間を一時的に隠せても、原因のほうは手つかずです。

つまり自力の埋めは、隙間が空いている原因に手をつけないまま、表面だけを変えようとするので、無理が出やすいのです。埋めるかどうかを考える前に、まず原因を見ておくほうが、遠回りになりません。

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方法から選ぶ前に、隙間の原因を見る

では、何から始めればいいのか。どの方法にするかを迷う前に、自分の隙間がなぜ空いているかを見ておく、というのがその答えになります。

原因が分かれば、動かして無くす向きなのか、形を足す向きなのか、その手前で見当がつきます。位置関係のずれで空いているなら、歯を寄せて無くす向きが素直に合いますし、歯のサイズが小さい・欠けているのが元なら、動かすだけでは足りず、幅を足す向きも視野に入ります。押す癖が関わっているなら、埋め方を決める前に、その力をどうするかも一緒に見ておくことになります。原因の見当がつくほど、選ぶべき向きも、避けたほうがいい向きも、絞り込めるようになります。そしてそれは、方法を並べたカタログや、自力で埋める情報からではなく、歯や噛み合わせ、隙間の出どころを見た診断で分かることです。

隙間の埋め方に迷うとき、迷っているのはたいてい方法の側です。けれど、選ぶ手がかりは原因の側にあります。方法をどれにするかより先に、隙間がなぜ空いているかを見てもらうと、迷いの当てどころが変わってきます。

※本記事で触れる歯列矯正は自由診療(マウスピース型矯正装置による歯列矯正)であり、公的医療保険の対象外です。参考として当院の費用と治療期間の目安は Lite 150,000円(税込)・約2ヶ月(上下前歯12本・マウスピース各7枚以内が対象)/ Basic 330,000円(税込)・約3ヶ月(上下前歯12本が対象)/ Pro 660,000円(税込)・約6ヶ月(上下24本が対象)/ 全歯を対象とするプラン 880,000円(税込)です。全歯を対象とするプランの治療期間は、動かす範囲が広いため個々の状態により異なります。期間はいずれも歯を動かす矯正期間の目安であり、後戻りを防ぐ保定期間は含みません。通院回数は最低1回で、治療内容・個人の状態により異なります。安心保証制度とワイヤー補償が付帯するのは Basic・Pro のみです。歯の移動に伴い、歯の痛み・歯根吸収・歯ぐきの退縮・後戻りなどのリスクが生じる場合があります。隙間をどう埋めるか、動かして無くせるかどうかは、原因を含めて検査を経た診断によります。重度の歯周病・顎関節症などがある方は治療をお受けいただけない場合があります。

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歯の隙間を埋めることに関するよくある質問

Q. 市販の「隙間を埋めるグッズ」やレジンで、自分で埋めるのはだめですか?

それは、歯に形を足して覆う向きを、自己流でやろうとするものです。いちばん抜け落ちるのは、隙間がなぜ空いているかを見極める工程です。原因が分からないまま覆うので、そもそも動かして無くすべき隙間だったのか、覆う向きが合っていたのかも、判断しないまま進むことになります。しかも、自己流で覆ったものが、あとで正規の治療を受けるときに、いったん外したり付け直したりする手間として残ることもあります。安く早くのつもりが、かえって遠回りになりかねません。

Q. 隙間が小さいなら、動かさずに覆うほうが早くていいのでは?

早く済むかどうかで選ぶより、その隙間にどちらの向きが合うかは、やはり原因しだいです。位置関係で空いている隙間を覆いだけで済ませると、原因が残ります。反対に、覆うほうが合う場面もあります。どちらが向くか、そして覆うために歯を削ることをどう考えるかは、セラミックは「絶対ダメ」?の側で詳しく見ています。

Q. 一度埋めた隙間が、また開くことはありますか?

原因が残っていると、開いてくることがあります。たとえば舌で前歯を押す癖や、もとの位置関係がそのままだと、埋めたあとにまた力がかかります。だからこそ、埋め方を決める前に、なぜ空いていたのかを見ておくことが、開き直しを遠ざけることにつながります。

まとめ

歯の隙間を埋める向きは、歯を動かして無くすか、形を足して覆うかに分かれ、どちらが向くかは、隙間がなぜ空いているかで決まります。原因を見ないまま方法を先に選ぶと、隙間には合っても原因には合わない埋め方になりかねません。

輪ゴムや市販のもので自分で埋めるのは、原因を変えないまま歯に無理をかけるので、勧められません。だから、方法をどれにするかを迷う前に、隙間の原因を見るのが先です。原因が見えれば、埋め方の向きも、自力を避けたほうがいい理由も、同じところから見えてきます。

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