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部分矯正と全体矯正の違いは?全体矯正の計画には、奥歯どうしの前後関係が入っている

直したいところは前歯のごく一部なのに、料金表には二つの枠が並んでいて、示されている金額の開きが大きい。安いほうで足りるならそれでいいはずなのに、何を基準に決めればいいのかが見つからない。

全体矯正の計画には、上下の奥歯が噛み合う前後の位置関係が対象として入っています。 部分矯正の計画には、そこがありません。違いはこれだけではありませんが、期間に差がつく理由の一つは、ここにあります。

目次

全体矯正では、並べること以外にも扱う対象がある

歯列全体を相手にする矯正では、目指すものがいくつかに分かれています。

まず、歯を並べ、歯列の高さのばらつきをならすこと。次に、上下の奥歯が噛み合う前後の位置関係を、噛んだときに合う関係へ持っていくこと。それから、抜歯でできた隙間や、もともと歯列に空いている隙間を閉じること。前歯の前後の出方を整えることも、ここに含まれます。そして最後に、当たり方の細かいところを詰める仕上げ。装置を外したあとには保定が続きます。

この切り分けは、ワイヤー装置を使う治療を説明するために提案された整理のひとつです。装置が変われば進め方の刻み方も変わりますし、当てはまり方にも幅があります。それでも、全体矯正という言葉が何を相手にしているのかを見るときの手がかりにはなります。

ひとつ補足しておくと、これは目標の並び方であって、装置を付ける順番がそのとおりになるとは限りません。奥歯の関係に働きかける装置は、並べ終えるのを待たずに始めることもあります。並びと高さが整っていることは、奥歯の関係や隙間を扱う段階に入るときの前提として置かれている、という関係です。

部分矯正で扱わないのは、奥歯どうしの前後関係

一方の部分矯正は、扱う対象が前歯まわりに絞られています。奥歯には原則として手をつけないため、上下の奥歯が噛み合う前後の位置関係を整えることは、はじめから目標に入っていません。抜歯を前提にしないので、抜いてできた隙間を閉じるという段取りも通常は出てきません。そもそも抜歯が要るかどうかがどこで決まるのかは、矯正で歯を抜く理由側にあります。

前歯のあいだにもともと空いている隙間を閉じるほうは、部分矯正でも扱える範囲です。すきっ歯が前歯だけの計画で挙がることがあるのは、そのためです。前歯の前後の出方についても、部分矯正の内側で収まる場合と、そうでない場合があります。どこで線が引かれるかは症状によって違っていて、部分矯正で出っ歯は治る?がその一例を追っています。

短く終わるのは、相手にしている対象がそこまでだからです。金額のほうには、範囲のほかに効いてくるものがあります。札幌の各院が出している金額と、その幅がどこから生まれるのかはマウスピース矯正の値段に集めてあります。

奥歯の噛み合わせは、いまの状態が土台として残る

部分矯正では、いまの噛み合わせを土台として据え置き、その上に前歯の並びを乗せる形になります。

据え置かれるのは、あくまで奥歯どうしの関係です。前歯そのものを動かすのですから、上下の前歯が当たる位置のほうは動きます。並びと噛み合わせをそれぞれ別の見方として扱う考え方は、マウスピース矯正で噛み合わせはどうなる?並びとは別の軸で見るが主題にしています。

「部分矯正では噛み合わせは治せません」という説明は、その治療の欠点を挙げているというより、計画の立て方そのものを述べています。だから、いまの噛み合わせで困っていない人にとっては、据え置くことが不都合にならない場面があります。反対に、並べるところまで進めても望んだ結果に届かないと判断される場面もあります。どういうときに後者になるのかは、相談で「難しい」と言われる理由の内訳に種類ごとに分けてあります。

ワイヤーかマウスピースかは、部分か全体かとは別の話

もうひとつ、混ざりやすいところがあります。部分矯正という言葉を、マウスピースを使う治療の呼び名だと受け取ってしまう場合です。

この二つは別のことを指しています。部分か全体かは、計画に入れる歯の範囲と、そこで扱う対象の話。ワイヤーかマウスピースかは、その計画をどの装置で実行するかの話です。ワイヤーで前歯だけを扱う計画もありますし、マウスピースで奥歯まで含めた計画もあります。もっとも、扱う対象の内容によって、選べる装置の側が狭まることはあります。

料金表を見比べるときは、この二つが同時に動いていることがあります。金額の差が範囲から来ているのか装置から来ているのかは、分けて読むと見通しが良くなります。

「全体矯正」のなかで何が行われるかは、人によって違う

全体矯正という言葉を聞いた時点で、いちばん重いものが自動的に始まる、と受け取ってしまいがちです。ただ、どの対象がどれだけ立つかは、その人の状態で変わります。

抜歯でできた隙間はもちろん閉じる対象になりますが、もともと歯列に空いている隙間も同じく対象です。どちらもなければ、この目標そのものが立ちません。もともとある隙間の扱いは、歯の隙間を埋めるには?のほうが本題にしています。

上下の奥歯の前後関係も同じです。もともとのずれが小さければ、そこに割く比重は軽くなります。大きくずれていれば、その分だけ重くなります。

同じ全体矯正という呼び名でも、比重の置かれる先は変わります。示される期間に幅があるのは、こうした事情の積み重ねです。

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並べたあとに、続きが要ると分かる場合

部分矯正で前歯を並べてみたところ、思っていた収まりに届かなかった。あるいは、並べる過程で奥歯側にも手をつけないと目標に届かないことが見えてきた。こうした展開は起こりえます。

このとき、そこまでの移動が次の計画でどう扱われるかは一様ではありません。そのまま活かせる場合もあれば、位置を作り直すところから入る場合もあります。扱う対象が奥歯側へ移るため、前半と同じ装置のまま進むとも限りません。補助や別の装置が組み合わされることもあります。

そして、ここには治療の中身とは別の話がついてきます。追加の検査や装置の作り直しがどこまで必要か、支払い済みの費用がどう扱われるかは、各院が定めている条件しだいです。費用の扱いが医院で分かれる点については、前歯だけのマウスピース矯正の質問欄で触れています。

治療として続けられるかどうかと、契約として続くかどうかは、別々に決まっています。

※以下に挙げる当院のプランは自由診療(マウスピース型矯正装置による歯列矯正)であり、公的医療保険の対象外です。費用と治療期間の目安は Lite 150,000円(税込)・約2ヶ月(上下前歯12本・マウスピース各7枚以内が対象)/ Basic 330,000円(税込)・約3ヶ月(上下前歯12本が対象)/ Pro 660,000円(税込)・約6ヶ月(上下24本が対象)/ 全歯を対象とするプラン 880,000円(税込)です。全歯を対象とするプランの治療期間は、動かす範囲が広いため個々の状態により異なります。期間はいずれも歯を動かす矯正期間の目安であり、後戻りを防ぐ保定期間は含みません。通院回数は最低1回で、治療内容・個人の状態により異なります。安心保証制度とワイヤー補償が付帯するのは Basic・Pro のみです。歯の移動に伴い、歯の痛み・歯根吸収・歯ぐきの退縮・後戻りなどのリスクが生じる場合があります。どの範囲を対象とする計画になるかは、検査を経た診断によります。重度の歯周病・顎関節症などがある方は治療をお受けいただけない場合があります。

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保定は、動かした本数に関係なく必要になる

装置を外したあとに続く保定は、範囲を狭めても外れません。なぜ必要なのか、どれくらい続けるのかはリテーナーはいつまで?側の主題なので、そちらに譲ります。

部分矯正が「短く終わる」というとき、この期間はそこに数えられていません。

部分矯正と全体矯正に関するよくある質問

Q. 気になっているのは前歯の1本だけです。それでも全体矯正になることがありますか?

あります。前歯1本のずれでも、上下の奥歯の関係のほうに手をつける必要が見つかれば、そこが計画の対象に入ってきます。範囲が広がる理由はそこだけとは限らず、ほかの事情が重なることもあります。反対に、範囲を広げずに収まる場合もあります。どちらになるかは、検査を経た診断で示されます。

Q. 全体矯正でも、直したいのは前歯だけです。奥歯にも装置は要りますか?

要ります。計画に奥歯の側の位置関係が入っているので、そこに装置がかかっていないと動かせません。前歯だけを見ていると装置が過剰に見えますが、動かす先が奥歯の側にもあるということです。

Q. 前歯が並んだ時点で、全体矯正を終わらせることはできますか?

装置を外す判断そのものは可能です。ただ、その時点では後半で扱うはずの対象が残っています。上下の噛む関係は治療前の状態から動いている途中で、隙間が残っていればそのままです。中断した場合に何が残り、そこから保定へどう移るのかは一人ひとり違うため、担当の歯科医師に確かめてください。

Q. 仕上げでは、何をしているのですか?

並べ終えた歯を、噛んだときの当たり方の側から細かく詰めていく段階です。歯の向きをわずかに変える、上下が当たる位置を調整するといった作業が入ります。見た目の変化が小さいので、進みが止まったように見えることもありますが、装置を外したあとの安定に関わる部分です。

Q. 部分矯正と全体矯正で、通院の回数は変わりますか?

同じ範囲でも、回数は揃いません。1回の通院がどんな役割を担っているかが、治療の方式によって違うためです。役割ごとの組まれ方は通院がどんな目的で組まれているかにあります。

まとめ

全体矯正の計画には、歯を並べることに加えて、上下の奥歯が噛み合う前後の位置関係を整えることが対象として入っています。部分矯正では、ここが対象から外れ、いまの噛み合わせが土台として残ります。

期間の差には、対象がいくつ立つかと、動かす量の両方が効いています。金額のほうは、先に触れたとおり範囲だけに対応しているわけではありません。

そして全体矯正と呼ばれていても、閉じる隙間があるかどうか、奥歯の前後関係にずれがあるかどうかで、対象として立つものは変わります。

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