マウスピース矯正のモニター募集を見つけて、応募してみようかと思った方もいるかもしれません。ただ要項の隅にある「症例制限あり」の4文字で、手が止まります。自分が対象になるのかどうかが分からないまま申し込むのは、気が進まないものです。
マウスピース矯正のモニターは、装置の適応と症例の条件という2つの段階で対象が絞られます。この構造を知っておけば、応募の前に何をすればいいのかがはっきりします。対象になりやすい歯並び、装置ならではの条件、応募前に確かめたい点を整理します。
マウスピース矯正のモニターで何を求められるか
マウスピース矯正のモニターで求められる提供物
制度の基本は矯正モニター全般と同じで、記録の提供と引き換えに料金が割り引かれます。仕組みや公開範囲、中断時の扱いといった共通の確認事項は矯正モニターとは?割引の目安と、応募前に確認したい条件を解説で整理しています。
ここで押さえておきたいのは、マウスピース矯正では症例写真に加えて装着状況の記録が提供物に含まれることがある点です。
ワイヤー矯正のモニターとの違い
同じモニターでも、装置が変わると条件も変わります。ワイヤー矯正は装置を歯に固定するため、装着そのものは患者側の管理に左右されません。一方マウスピース矯正は取り外しができるぶん、装着時間の管理が治療結果を左右します。
ワイヤー矯正では条件になりえない項目が、マウスピース矯正では条件に加わるのはこのためです。
応募しても対象外になることがある
マウスピース矯正のモニター募集に「症例制限あり」と書かれているのは、対象が二重に絞られるためです。
装置で対応しやすい歯並びかどうか
まず、マウスピース矯正という装置自体に得意・不得意があります。軽度から中等度の歯の重なり、すきっ歯、前歯の傾きによる出っ歯などは対応しやすい範囲です。
一方、奥歯を大きく動かす必要がある場合や、抜歯を伴う移動が必要な場合は対応が難しくなります。あごの骨の位置が原因で噛み合わせがずれているケースも同様です。
応募の前に自分で見当をつけるなら、次の3点が手がかりになります。重なっている歯が1本だけか、複数の歯にまたがっているか。歯と歯のすきまが1か所か、複数あるか。口を閉じたとき、唇に力を入れずに閉じられるか、意識しないと閉じにくいか。前者に近いほど対応しやすい範囲に入ります。ただしいずれも目安です。
最終的な判断には検査が必要です。どんな歯並びなら対応できるのかは前歯だけの部分矯正で対応できる条件で条件別に整理しています。
症例として示したい歯並びかどうか
装置の適応を満たしていても、それだけで対象になるとは限りません。モニターの目的は、クリニックが治療の成果を示す症例を得ることにあります。つまり募集の趣旨に合う歯並びが優先されます。
たとえば「前歯の重なりの改善例を示したい」という趣旨の募集であれば、すきっ歯の方は適応であっても対象から外れることがあります。二段階の絞り込みがあるため、装置の適応を満たしていても募集の対象から外れることがあります。
対象外と言われても、治療そのものができないという意味とは限りません。症例の趣旨に合わなかっただけであれば、通常のプランでの治療は検討できます。 装置の適応そのものが難しい場合は、ワイヤー矯正など別の方法を含めて検査で判断することになります。
マウスピース矯正のモニター特有の条件
割引の見返りとして求められる協力には、マウスピース矯正ならではの項目があります。
1日20時間以上の装着と、その記録
使用する製品にもよりますが、1日20時間以上の装着を前提に治療計画が組まれます。食事と歯みがきの時間以外は装着しておく計算です。モニターの場合、症例として経過を記録する必要があるため、装着時間の記録や報告を求められることがあります。
装着時間が不足すると歯が計画どおりに動かず、記録すべき経過そのものが崩れてしまいます。仕事や生活の中で装着時間を確保できるかは、応募前に現実的に考えておきたい点です。
通院日時が指定されることがある
症例写真の撮影は、決まった条件で撮る必要があります。そのため撮影のタイミングが治療計画に組み込まれ、通院日時が指定される募集もあります。「平日の日中のみ」といった条件が付くこともあり、シフト勤務や平日の休みが取りにくい働き方では合わせにくい場合があります。
撮影のタイミングが決まっているぶん、通常の治療より来院の間隔が細かく指定されることもあります。なお通院回数は治療内容・個人の状態により異なります。
治療完了までの継続
症例として成立するのは、治療が最後まで終わったときです。途中で中断すると症例写真が揃わないため、完了までの継続が条件に含まれるのが一般的です。
治療は数ヶ月から年単位に及ぶため(後戻りを防ぐ保定期間を除いた期間です)、その間に生活が変わる可能性はあります。転勤や進学による転居、産休や育休、長期の出張などは、あらかじめ伝えておくと別の扱いになる場合があります。予定が立っている段階で申告しておくほうが、後から相談するより選択肢は残ります。
マウスピース矯正のモニターで割引を見るときの注意点
割引の大きさより先に確認したいのが、マウスピース矯正ならではの追加費用が割引の対象に入っているかどうかです。総額の見方そのものはマウスピース矯正の値段はいくら?幅が生まれる理由と総額の見方で整理しています。
とくに確認したいのは2つです。ひとつめは、歯が計画どおりに動かなかったときに作る追加のマウスピース。ふたつめは、紛失や破損による再製作です。取り外せる装置だからこそ、装着時間の不足による作り直しも、持ち歩きに伴う紛失・破損も起こりえます。いずれもワイヤー矯正では起きにくい費用です。
モニター料金が装置代だけを指していて、これらが別途になる設計もあります。追加のマウスピースと再製作まで含めた見積もりを出してもらってください。
※本記事で扱う歯列矯正の費用は自由診療(マウスピース型矯正装置による歯列矯正)であり、公的医療保険の対象外です。割引の有無や金額はクリニックごとに設定が異なります。参考として当院の費用は Lite 150,000円(税込)(上下前歯12本・マウスピース各7枚以内が対象)〜 コンプリヘンシブ 880,000円(税込)(全歯が対象)です。安心保証制度とワイヤー補償が付帯するのは Basic・Pro のみです。歯の移動に伴い、歯の痛み・歯根吸収・歯ぐきの退縮・後戻りなどのリスクが生じる場合があります。重度の歯周病や顎関節症などがある方は治療をお受けいただけない場合があります。
ブランドのキャンペーンとクリニックのモニターは別
「モニター価格」という言葉は、性質の違う2つの施策に使われています。混同すると条件を読み違えます。
症例の提供が条件のモニター
これまで見てきた制度です。写真やアンケートの提供という協力が前提で、応募資格の審査があります。
期間限定の価格キャンペーン
一方、症例の提供を求めず、期間や人数を区切って価格を下げる施策もあります。症例提供が条件に含まれない場合が多い一方で、適用期間や対象プランが限られていることがあります。期限を過ぎれば通常料金に戻るため、いつまでの申し込みが対象になるのかを確かめておきましょう。
「モニター」という表示があっても、症例提供が条件に含まれるとは限りません。 申し込む前に、写真の提供やアンケートが必要かどうか、適用の期限がいつまでかを確認してください。
装着時間・追加費用をどう確認するか
マウスピース矯正のモニターでしか出てこない論点を3つに絞りました。カウンセリングでそのまま読み上げられる形にしています。
自分の歯並びが適応するか
Q. 私の歯並びは、マウスピース矯正で対応できる範囲ですか。今回の募集の対象になりますか。
適応と募集の対象は別の話なので、両方を聞くのが確実です。
装着時間と通院の条件
Q. 装着時間の記録は必要ですか。通院の曜日や時間帯に指定はありますか。
生活と両立できるかを判断するための情報です。指定がある場合は、自分の勤務形態で対応できるかを確かめてください。
マウスピースの追加・作り直しの費用
Q. 装着時間が足りず作り直しになった場合、追加のマウスピース代はモニター料金に含まれますか。紛失した場合はどうなりますか。
マウスピース矯正で追加費用が発生しやすいのがこの2つです。中断したときの差額の扱いなど、モニター制度に共通する確認事項は矯正モニターで応募前に確認したい5つの条件にまとめています。
※参考として当院のマウスピース型矯正装置による歯列矯正(自由診療・公的医療保険の対象外)の費用は Lite 150,000円(税込)(上下前歯12本・マウスピース各7枚以内が対象。安心保証制度とワイヤー補償は付帯しません)/ Basic 330,000円(税込)(上下前歯12本が対象)/ Pro 660,000円(税込)(上下前歯24本が対象)/ コンプリヘンシブ 880,000円(税込)(全歯が対象)です。安心保証制度とワイヤー補償が付帯するのは Basic・Pro のみです。歯の移動に伴い、歯の痛み・歯根吸収・歯ぐきの退縮・後戻りなどのリスクが生じる場合があります。重度の歯周病や顎関節症などがある方は治療をお受けいただけない場合があります。
マウスピース矯正のモニターに関するよくある質問
Q. 対象外になった理由は聞けますか?
装置の適応で外れたのか、募集の症例枠に合わなかったのかで、その後の進め方が変わります。前者ならマウスピース以外の方法を含めて検討することになり、後者なら通常のプランでの治療を検討できます。いずれの場合も、実際に進められるかは検査を受けたうえでの判断になります。どちらの理由かを確認しておくと、次に何をすればいいかが決まります。
Q. 装着時間を守れなかったらどうなりますか?
歯が計画どおりに動かず、治療期間が延びたりマウスピースを作り直したりすることがあります。モニターの場合は記録が求められることもあるため、生活の中で装着時間を確保できるかを事前に考えておきましょう。
Q. モニターだと使える製品が限定されますか?
マウスピース矯正には複数の製品があり、モニターの対象がそのうち1つに絞られている募集もあります。製品ごとに得意な歯の動かし方や必要な枚数が変わるため、指定された製品が自分の歯並びに合うかどうかを、検査結果とあわせて確認してください。
Q. 適応するかどうかは、応募前に分かりますか?
レントゲンや口腔内スキャンによる検査を受ければ、対応できる範囲かどうかが分かります。応募の前にまず検査を受けておくと、対象になりそうかの見当がついた状態で判断できます。
Q. 装着時間の記録はどうやって提出しますか?
方法は募集によって異なり、専用アプリへの入力、記録用紙への記入、通院時の申告などがあります。日々の手間に直結する部分なので、どの方法で、どのくらいの頻度で提出するのかを応募前に確認しておきましょう。
まとめ
マウスピース矯正のモニターは、装置で対応できる歯並びかどうかと、募集の趣旨に合う症例かどうかの2段階で対象が絞られます。「症例制限あり」と書かれているのはこのためです。
加えて、1日20時間以上の装着とその記録、通院日時の指定、完了までの継続といった条件が付くことがあります。割引の大きさだけでなく、生活の中で続けられるかを含めて判断してください。まずは検査で自分の歯並びが対応できる範囲かを確かめると、応募するかどうかの判断がしやすくなります。札幌でマウスピース矯正を検討している方は、無料カウンセリングから始めてみてください。