札幌の矯正歯科をいくつか見比べていると、表示されている金額の幅に戸惑います。40万円台のところもあれば、100万円を超えるところもある。
この幅には、装置の違いが入っています。そしてもうひとつ、装置につく金額とは別に、通院のたびに発生する金額があります。
払う総額は、この2つを足したものになります。
装置につく金額に、通院のたびの金額が乗る
矯正の費用でまず目に入るのは、装置の金額です。装置を作って歯に付けるところまでの費用で、これは治療の初めに決まります。
そこに、通院のたびの金額が乗ります。ワイヤー矯正では、装置を付けたあとも定期的に通ってワイヤーを調整します。この処置ごとにかかるのが調整料です。
装置料は一度きりですが、調整料は通うたびに発生します。回数が増えれば、そのぶん積み上がります。
このほかに、治療を始める前の検査・診断料が別に必要な医院もあります。取り外せる装置の側にも、同じ費目があります。
札幌で公表されている金額
札幌市内の4院が公式サイトに掲載しているワイヤー矯正の料金を、2026年7月に確認しました。以下はすべて公表されている金額です。
ただし税の表記は医院ごとに分かれており、税込・税別のどちらか判別できなかった金額もあります。以下は公表されている表記のまま並べたもので、そのまま横に比べられる数字ではありません。 実際の金額は各医院で確認してください。
表側に装置を付ける場合
金属の装置では 418,000円(税込)から660,000円(税込)。税別表記の医院に550,000円(税別)という例がありました。
目立ちにくい素材を使う場合は、そこから上がります。473,000円(税込)から715,000円。税別表記では650,000円(税別)でした。
歯の裏側に付ける場合
上下のうち片方だけを裏側にする方式では、660,000円(税込)から880,000円。税別表記の医院に750,000円(税別)という例がありました。
上下とも裏側にする方式では、880,000円(税込)から1,045,000円でした。
同じ「ワイヤー矯正」でも、装置を付ける場所で金額の帯が変わります。なお装置ごとの金額差がどこから来るのかについては、医院が公表している範囲では読み取れませんでした。ここでは公表されている金額をそのまま並べています。
公表の細かさも医院によって違います。4院のうち1院は裏側の設定も検査料も掲載しておらず、表側の金額だけが出ていました。載っていない項目があるからといって、その費用が発生しないという意味にはなりません。
検査・診断料
無料の医院もあります。4院のうちには 22,000円から41,800円 という設定がありました。6,600円と25,300円を分けて設定している例、30,000円(税別) の例もあります。
この費用は治療を始める前に発生します。検査を受けた結果、その医院で進めないと決めた場合でも、ここまでの分は戻りません。
取り外せる装置の場合
同じ札幌で、取り外せる装置(マウスピース型)の公表額も確認しています。前歯まわりを動かす軽度の範囲では11万円台が下限で、上は49万円台。奥歯まで含める範囲では59万円台が確認できています。
装置を歯に固定する方式とは、対象とする範囲の切り方が違います。そのため高い安いを単純には並べられません。範囲や含まれるものの違いは矯正の総額が何で積み上がるかが本題にしています。
なお、どちらの方式が向いているかは金額とは別の判断になります。ここでは金額の帯だけを並べています。
調整料は、装置によって変わることがある
ここは見落としやすいところです。
調整料は1回あたり 5,000円(税別)から8,800円 の範囲にありました。ただし4院の設定の仕方が同じではありません。
装置によらず一律の医院があります。表側でも裏側でも、1回5,500円(税込)です。
一方で、装置によって調整料そのものを変えている医院が2院ありました。1院は表側5,000円に対しリンガル7,000円(いずれも税別)。もう1院は表側6,600円・ハーフ7,700円・フル8,800円という設定でした。
つまり裏側を選んだ場合、装置料が上がるだけでなく、通院のたびの金額も上がることがあります。差は1回あたり2,000円台ですが、これは通うたびにかかります。
後者の医院は、治療期間を2年から3年、通院を月1回としています。ここから調整の回数を24回から36回として計算します。調整料の合計は、表側で158,400円から237,600円。上下とも裏側では211,200円から316,800円になります。その差は52,800円から79,200円です。装置料の差とは別に、これだけ乗ります。
装置を変えるという判断は、片方の金額だけを動かすとは限りません。
回数が分かれば、調整料の総額が出る
調整料は1回あたりの金額なので、総額を出すには回数が要ります。
今回見た範囲では、通院の総回数を数字で示している医院はありませんでした。 ただし治療期間と通院の間隔は公表されているので、そこから概算できます。
ある医院は、装置を付けてからの期間の目安を約1年半から2年、通院を1〜2ヶ月ごととしています。この2つを掛け合わせると、調整に通う回数はおよそ9回から24回。調整料は1回5,500円(税込)なので、合計は49,500円から132,000円になります。
同じ医院、同じ装置でも、これだけの幅が出ます。期間が延びるか、通院の間隔がどちらに寄るかで動きます。
なおこの掛け算は、公表されている期間と間隔から出したものです。医院が「合計いくら」として示している金額ではありません。
1院分をすべて足してみる
この医院は、検査から保定までの金額を公表しています。表側の装置を選んだ場合で並べます。
- 検査・診断 22,000円〜41,800円
- 装置 660,000円
- 調整料 5,500円 × 9〜24回 = 49,500円〜132,000円
- 装置を外したあとの保定装置 44,000円
ここまでを足すと 775,500円から877,800円 です。装置の金額だけを見ていたときの660,000円とは、11万円から21万円ほど離れます。
同じ医院で上下とも裏側の装置を選ぶと、装置料が990,000円になります。この医院は調整料が装置によらず一律なので、動くのは装置料の分だけです。合計は 1,105,500円から1,207,800円 になります。
一方、先に見た調整料が装置で変わる医院では、この計算の調整料の側も同時に上がります。
装置料に調整料を足した額が、支払う額になります。回数の目安を教えてもらえれば、その場で計算できます。
※歯列矯正は自由診療(マウスピース型矯正装置による歯列矯正)であり、公的医療保険の対象外です。当院の費用と治療期間の目安は Lite 150,000円(税込)・約2ヶ月(上下前歯12本・マウスピース各7枚以内が対象)/ Basic 330,000円(税込)・約3ヶ月(上下前歯12本が対象)/ Pro 660,000円(税込)・約6ヶ月(上下24本が対象)/ 全歯を対象とするプラン 880,000円(税込)です。全歯を対象とするプランの治療期間は、動かす範囲が広いため個々の状態により異なります。期間はいずれも歯を動かす矯正期間の目安であり、後戻りを防ぐ保定期間は含みません。通院回数は最低1回で、治療内容・個人の状態により異なります。安心保証制度とワイヤー補償が付帯するのは Basic・Pro のみです。歯の移動に伴い、歯の痛み・歯根吸収・歯ぐきの退縮・後戻りなどのリスクが生じる場合があります。歯の側面を削る処置を行った場合、削った部分は元に戻らず、一時的にしみることがあります。重度の歯周病や顎関節症などがある方は治療をお受けいただけない場合があります。
歯列矯正の費用に関するよくある質問
Q. 表示されている金額に検査料は含まれますか?
医院によって違います。今回確認した範囲でも、検査・診断料が無料の医院と、2万円台から4万円台が別に必要な医院がありました。金額が近い医院どうしであれば、この差で順番が入れ替わります。
Q. 装置を外したあとにも費用はかかりますか?
歯を動かし終えたあとは、動いた位置を保つ装置を使います。今回の4院では、この装置の費用として30,000円(税別)、30,800円、44,000円という例がありました。
このうち1院は、装置の44,000円とは別に1回3,300円を設定しています。歯を動かしているあいだの調整料と同じで、保定に入ってからも通院のたびの金額がつきます。装置の役割と使い方は外したあとに位置を保つ装置のほうが詳しいです。
Q. 治療が長引いた場合、費用は増えますか?
調整料が通院ごとに発生する設定であれば、通う回数が増えたぶん積み上がります。総額が先に確定する設定なら、期間が延びても支払額は動きません。どちらの設定かは、見積もりを受け取る段階で分かります。
まとめ
歯列矯正の費用は、装置につく金額と、通院のたびにつく金額でできています。装置料は治療の初めに決まり、調整料は通うたびに積み上がります。
札幌で公表されている金額を見ると、表側で41万円台から71万円台、裏側で66万円台から104万円台の帯にありました。
そして装置を変えると、装置料だけでなく調整料のほうが動く医院もあります。 今回の4院では2院がそうでした。
調整料は1回あたりの金額なので、回数の目安が分かれば総額が出せます。 装置料に足せば、最後まで通ったときに支払う額が出ます。